ヒューマン・プラネットは、BBC制作のドキュメンタリー作品です。地球上でも特別過酷な自然環境で暮らしている人々を、海・砂漠・北極圏・ジャングル・山岳地帯・草原・河川・都市の8つのテーマに分けて取り上げています。
日頃日本で暮らしている人にとっては、想像もしないような衝撃的なシーンの連続で、世界観が変わるほどの威力がある作品です。そんな「ヒューマン・プラネット」のあらすじと感想、ヒューマン・プラネットの視聴方法を紹介します。
世界観が変わる圧巻のドキュメンタリー作品
日本で生活していると、ニュースで報じられる出来事も欧米が中心なこともあり、地球上の人類はほとんど似たような暮らしをしているような気がしてしまいます。少なくとも、文明が発達している21世紀においては、世界中で都市化が進み、遅かれ早かれ現代的な生活していくことになるのだろうとなんとなく思っていました。
そういった日本での常識を備えている方にとって「ヒューマン・プラネット」は、世界観が変わるほどの衝撃がある作品だと思います。先進国であれば災害といえるレベルの厳しい自然の猛威に日々晒されながらも、環境を征服するのではなく適応して生きている人々の創意工夫には驚かされます。
また、世界には文明が発達した地域とそうでない地域に分かれている理由の一端を垣間見ることもできます。あまりにも自然が厳しい地域では、都市を建設することはそもそも愚かな行為であり、自然を人間の力でどうにかしようなど、のれんに腕押し・ぬかに釘どころの騒ぎではないということです。
一方、こういった人類の限界に近い場所で生活している人々の知識や技術は、これからの人類に役立つのではないかとも思います。気候変動や生態系の破壊といった環境の激変、さらにはスペースX社などが推進する火星移住計画のような未知の環境に対応するには、地球上の厳しい環境に何百年も適応してきた人々の知恵が必要ではないでしょうか。
「ヒューマン・プラネット」はドキュメンタリー作品ですが、何パターンも撮影したのではと感じてしまうほどの多彩なカット割り、どうやって撮影したのかと思うような映像が盛り沢山です。こんな場所があったのか、そしてこんな場所で暮らしている人がいたのか!と新しく知ることばかりでした。
ヒューマン・プラネットのあらすじ
「ヒューマン・プラネット」シーズン1は、全8話(1話約50分)です。
海

何分も息を止めたまま海底を歩いて漁をする男性
海は多くの日本人にとって遊ぶところだと思いますが、生活の中心が海という人たちもいます。
インドネシアで数百年前から行われている、クジラにモリ一本で飛びかかる漁は衝撃的です。海の上からクジラを目視のみで探し、船の舳先からジャンプして仕留めます。
また、カヌーのようなボートに乗った老人が深海にいるサメを呼び寄せてロープで捕獲する漁も驚愕です。
一生のほとんどを船の上で過ごす人々の登場します。どこの国にも属さず(なんと国籍がない)、陸に上がるのは好きじゃないと語ります。
砂漠
「湯水の如く」という言い回しがあるくらい水が豊富な日本では、水を求めて何週間も歩くという生活は想像できません。世界最大の砂漠であるサハラ砂漠では、十歳の少女がそれを行っています。
日本では砂漠は珍しいですが、実は地球上の陸地の3分の1は砂漠です。自分が放置されたら2日と持たないであろう砂漠で、水を確保しながら生活する人々の知恵は尊敬に値します。
何百年もかけて掘られ続けている地下水路は、世界遺産の壮麗な建築物に匹敵します。
北極圏
北極圏に人がいることは知っていましたが、400万人もの人が暮らしているとは思いませんでした。太陽がまったく出ない季節や、反対に沈まない季節があり、冬の気温は氷点下40度以上という過酷な地域です。
海の上に厚く張った氷に穴を開け、800mものロープを海底に投入してサメを捕獲します。余談ですが、氷は厚さ10cmで人を支え、1mもあればジャンボジェットが乗っても大丈夫というのは驚きました。
一年の大半を氷に覆われ、生きるものが少ない北極圏で巧みに食料を手に入れる人間には感心させられます。
ジャングル
ジャングルは、北極圏などとは反対に生命の宝庫です。そして、それゆえに危険です。
毒を持つ生物が地上を支配しているため、人間の食料となる生物は木の上に住んでいます。加えて、木の上に住んでいるのは知能の高い猿なので、狩りは困難です。気づかれないように接近し、音の出ない吹き矢で仕留める姿は忍者のようでした。
ベネズエラの先住民の子どもたちは、タランチュラを捕まえておやつ代わりに食べます。そうして子供のうちから狩りを学んでいくのです。
また、「最近ハチミツを食べてない」と不機嫌な妻のために高さ40mの木に登ってハチミツを採取するコンゴの先住民の男性は、状況としては日本のサラリーマンとあまり変わらないと感じました。険しい顔つきだったのに、見事ハチミツを手に入れたら急に笑顔で「素晴らしい夫だ」と言いはじめた妻、というように。
山岳地帯
切り立った崖にあつ野生の鷹の巣から、子供の鷹を手に入れ、狩りを仕込むカザフスタンの鷹匠が登場します。ちなみに、鷹はある年齢になると自然に帰されます。
この回で最も衝撃的なシーンは、鳥葬の儀式です。鳥葬は遺体をしかるべき場所に放置するだけだと思っていたのですが、専門の人が遺体を細かく切り分けるというのが本当のものでした。もちろん、そうしなくてはならない理由があります。
草原
草原と聞くと快適そうなイメージですが、登場する草原はまったく違います。獲物を捕まえて食事中のライオンから肉を横取りしたり、獲物が来るまで何日も待ち続けたりといった感じです。
大量に捕獲した蛇を子どもたちが体に巻き付けて遊ぶシーンにも驚きましたが、一番は鳥と協力してハチミツを手に入れる人たちです。他にも、畑に何万羽もの鳥が来て作物を台無しにしてしまうのですが、それに対抗するために爆破したり…。
あと、オージービーフってあんな感じなんだ…。
河川

数百年以上かけて作られ続けている植物の橋
洪水は先進国にとっても脅威となる災害ですが、洪水は毎年起きる当たり前のこととして暮らしている人々もいます。その増水の激しさには驚かされます。
ヒマラヤ山脈から100km以上離れた学校に通う子供も登場します。彼らは父親に連れられて、凍っていたり激流だったりする川をたどって通学します。
インド北東部にあるという、いちじくをはわせて大洪水にも耐える生きた橋は、まるでロード・オブ・ザ・リングに出てきそうな雰囲気です。
都市
最後に、人間にとって最も住みやすいはずの都市がテーマとなります。これまで圧倒的な自然を見てきたので、都市が一番味気ないエリアに感じた気がします。
ニューヨークの地下はネズミとゴキブリだらけで、ロンドンにはトコジラミが大発生…。辟易しましたが、ニューヨークの屋上で蜂を飼う試みは良いと思いました。
ヒューマン・プラネットの感想・口コミ
Amazonのレビューやネット上の感想・口コミで、素晴らしいものを引用しました。
アマゾンプライムでの視聴。圧巻。これが無料とは・・・。
砂漠、北極、海、ジャングル…「前人未踏の地」で生活している人々の生活が垣間見えます。
「様々な暮らし方」との表現が無意味なほどに住居も食料もバラっバラです。南太平洋上の小舟、熱帯雨林の地上30メートルにある小屋、氷上の可動式住宅などに住居を構えています。また、氷河の「下」でムール貝を採集したり、4メートルの吹き矢を使い猿をハントしたり、飛ぶコウモリを網で捕獲したりなど、食料やその調達方法も驚きです。リアル白鯨してます。
舞台となる自然環境それ自体荘厳で美しいのですが、それを撮影・編集・構成する魅せ方も一級です。どうやって撮影しているのか・・・。どの回もインパクト大ですが、私には鳥葬の儀式と「これで遊んでいいよ」と母親が子どもにヘビを渡すシーンが印象的に残りました。
<感想>
数千年、数万年単位で伝承されてきた生活スタイルを現在も色濃く残す生き方に魅力を感じました。自然環境を守るべき存在として「保護する」のではなく、自分たちに可能な範囲でコントロールし、適応して生きている人間と自然環境のフロンティアのように思いました。その方法は必ずしも環境や他の動物と敵対する事ではなく、資源を持続可能な方法で適切利用したり食料調達をする上で人間以外の動物などをパートナーとしたりなど、「共生」も不可欠な生存戦略である。また、そのようにして暮らしている先住民族との関わり方にも十分考慮が必要である。(ジャングル回では、政府職員がヘリから望遠レンズを使用して写真撮影を行うことでにより、干渉を最小限に抑えつつ先住民族の存在を明らかにしていた。)
番組として誇張された面や自らのステレオタイプに沿った解釈も入っていようが、生き残る為に過酷な自然と対峙している人が現在も存在する事を認識して感動を覚えた。現在の価値観から自由になりたい時にまた見たい。
BBC EARTHのドキュメンタリーが好きなんだけど、「ヒューマン・プラネット」という大自然の中で生きる人々の特集がとてもよい。100km先の学校に通うチベットの少女とか、高さ40mの樹上に家をつくる部族とか、こんなふうに生きてもいいんだなぁと、色々なことに焦る気持ちが緩む。
— きむら えりこ (@cheriko26216) 2017年7月14日
アマゾンプライムで見られるヒューマン・プラネットが面白すぎて止めるタイミングが見つからない
— kain💮長谷部沼フレンズ (@_kain) 2017年5月3日
BBCヒューマン・プラネット良かった。
こんな都会で生きてる自分の方が少し不気味に感じるくらい、人間は動物なんだなと。
鳥葬の正式な儀式も知らなかった…そうだよね。あと猿にお乳はあげられないけど。
生きてるって素晴らしい!— keiko (@rudykeiko1221) 2016年5月31日
「ヒューマン・プラネット」インドの渓谷地帯に住む人々は、イチジクの木の根を編んで橋を作っている。それは成長する生きている橋。老人は、その橋の作り方を姪に教える。まるで物語の世界のような、自然との一体感。
— 寮美千子 (@ryomichico) 2011年12月26日
しかし毎日暑いねー。夕べは朝までまたWOWOWでヒューマン・プラネット見続けてしまった。砂漠で水を探して彷徨いながら命がけで毎日を生きる人たち見てて、なんか白くま食べて寝転んでいる自分がふいに愚かに感じた…てか、自分は日本に生まれて幸運過ぎるというか…
— mitsuko komuro/小室みつ子 (@miccorina) 2011年8月9日
ヒューマン・プラネットの視聴方法
ヒューマン・プラネットは、以下のサービスで見ることができます。
ユーキャン通販ショップ
DVDで見たい場合は、ユーキャン通販ショップで販売されています。AmazonでもDVDは売っていなかったので、もしかしたらユーキャンの独占販売なのかもしれません。
総額で3万9,000円もするので、以下の動画配信サービスの方が安くて他の作品も見放題なのでおすすめです。
Amazon プライム
Amazonプライム会員は無料で視聴できます。30日無料見放題あり。
Netflix
Netflixでは、ヒューマン・プラネットを視聴できます。1ヶ月無料体験あり。
U-NEXT
U-NEXTでは、ヒューマン・プラネットを視聴できます。31日間無料見放題あり。